西洋占星術の基本 ― 太陽星座だけでは分からないこと
「わたし、○○座なんです」——そんな会話を、一度は耳にしたことがあると思います。
雑誌の星占いコーナーや、朝のテレビ番組のランキング。そこに登場する「星座」は、たいていの場合、「太陽星座」のことを指しています。生まれた日の太陽が、どのサインに位置していたか、ということですね。
けれど、本当はそれだけでは、あなた一人ひとりの輪郭は、なかなか見えてこないのです。
空には、たくさんの星がある
太陽のほかにも、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星——。西洋占星術は、たくさんの星たちの位置関係を読む、豊かな体系です。
そしてもうひとつ、とても大切な要素があります。それが、「アセンダント(上昇宮)」と呼ばれるもの。生まれた瞬間、東の地平線から昇っていたサインのことです。
太陽星座があなたの「人生の大きなテーマ」を示すとすれば、月星座は「心の奥深くにある気持ち」を、アセンダントは「他人から見た第一印象や、ふるまいの傾向」を物語ります。
太陽は「意志」、月は「本音」
たとえば、太陽星座が獅子座の方は、明るく前向きで、自分らしさを大切にする姿勢が、人生の軸になります。
けれど、もし月星座が蟹座だったら。普段は堂々としている一方で、内側にはとても繊細で、家族や親しい人への思いが深い一面がある——そんなふうに読めてきます。
「周りからは社交的に見えるのに、本当は一人で静かに過ごす時間が必要」
「仕事では決断力があるのに、プライベートではとても迷いやすい」
そんなふうに、一見矛盾するような自分の姿が、太陽と月の組み合わせで、自然と説明がついてくる。それが、複数の星を見ていく面白さです。
アセンダントが教えてくれること
アセンダントは、少しだけ特別な存在です。
生まれた「時刻」がわからないと計算できないため、少し調べる手間がいるかもしれません。けれど、母子手帳や病院の出生記録を見ると、意外と時刻が書かれていることがあります。
アセンダントがわかると、「なぜ自分はこういう見られ方をしやすいのか」という、ちょっとした謎が解けてきます。
内面ではとても繊細なのに、周りからは「しっかり者」と言われる。自分では大人しいつもりなのに、第一印象が派手だと言われる——そういったずれは、アセンダントと太陽星座の組み合わせで読み解けることが、とても多いのです。
まずは、自分の出生図を眺めてみる
出生図(ホロスコープ)は、生まれた日時と場所があれば、無料で作成できるサイトがたくさんあります。
最初に出てくる円形の図は、記号だらけで少し戸惑うかもしれません。けれど、まずは「自分の太陽・月・アセンダントが、それぞれ何座か」だけ確認してみてください。
その三つの組み合わせが、あなたという人の「基本の三和音」のようなものです。それだけでも、「ああ、だから私はこうなのかも」と、静かに腑に落ちるところが、きっとあるはずです。
星は、あなたを縛らない
占星術は、「あなたはこういう人だ」と決めつける道具ではありません。
生まれた瞬間の空の様子は、あなたに「こういう傾向や才能が与えられているよ」と、そっと教えてくれる地図のようなもの。それをどう活かすか、どう歩いていくかは、あなた自身が決めていくことです。
太陽星座だけではわからなかった、もう一つのあなた。月と、アセンダントが、きっと優しく照らし出してくれます。
